インバウンドマーケティングとしての検索エンジン最適化(SEO)

インバウンドマーケティングとは、テレビや新聞、ラジオ、雑誌、屋外、バナー広告のように顧客に対するメッセージをプッシュするアウトバウンドマーケティング、または割込みマーケティングに反対する概念です。

インバウンドマーケティングでよく使われるマーケティング施策にはコンテンツマーケティング、検索エンジン最適化、ソーシャルメディア最適化、ブログマーケティング、企画PR等があります。

インバウンドマーケティングとは何か?

⒈ インバウンドマーケティングとは

インバウンドマーケティングは企業が多様なコンテンツ(ブログ、Podcast、動画、電子ブック、ニュースレター、ホワイトペーパー)を活用したコンテンツマーケティングと検索最適化、ソーシャルメディアマーケティングを通じて執行するマーケティング手法です。「インバウンド」はインターネット利用者たちの本来の目的から、その関心を別の方向に向かわせてメッセージを伝えようとする一般的な広告(意図を外に向かわせるという意味でアウトバンドマーケティングといいます)と対照的です。

アウトバンドマーケティングの関心は、購入する行為、つまりコルドコール、ダイレクトマーケティング、TVまたはラジオ広告、DM、テレマーケティングのような従来の広告手法です。アウトバンドマーケティングとインバウンドマーケティングを区別する究極なポイントは顧客の関心を買うのか、得るのかの違いです。

顧客の関心を得ることは企業やブランドのモチーフ、あるいはテーマが顧客の関心と一致するときこそ可能です。顧客の関心を一方的にブランドに合わせるように求めてはならぬ、逆に企業が合わせる努力をしなければなりません。

⒉ インバウンドマーケティングをはじめる前の質問10

インバウンドマーケティングの観点で顧客を理解するのに必要な基本質問をまとめてみました。質問を見れば顧客の視点で自社製品やブランドを知ることがいかに難しいことかがわかります。また、インバウンドマーケティングを遂行するにあたっての事前チェックができると思います。

  1. 顧客たちは我が製品群(カテゴリー)を何と呼ぶのか?
  2. 顧客たちは我が製品(競合製品)をいつ必要とするのか?その状況を何と言うのか?
  3. 顧客たちは関連情報をいつ、どんな媒体から得られているのか?
  4. 顧客たちが製品比較するとき主な基準となるものは何か?その基準等を何と呼ぶのか?
  5. 顧客たちは我がブランドを何と呼ぶのか?
  6. 顧客たちが信頼する情報源や媒体は何か?
  7. 顧客たちが比較している他社製品についてよく知っているのか?長・短所を論理的にまとめているのか?
  8. 我が製品やブランドのモチーフ、ビジョン等がウェブサイトに紹介されているのか?
  9. 客観的な立場で我が製品を評価してくれる人物や媒体があるのか?
  10. 上記の諸情報をストーリーでまとめられる内部リソースはあるのか?

本質問で100%「Yes」と答えられるなら、あなたはインバウンドマーケティングを実行する基本準備ができていると言えます。たとえ、Yesが少ないとしても全く失望する必要ありません。筆者の経験上、多くのお客様がこの問いかけに半分も答えられませんでした。インバウンドマーケティングの実行フローを理解していく内に少しずつ答えが明確になります。

⒊ 検索エンジンインバウンドマーケティングの実行フロー

検索エンジンインバウンドマーケティングの実行フローを次の10段階でまとめられます。

1) 購入関連キーワードのリサーチ(Keyword Research
こちらは顧客が意思決定するまでの過程(CDJ:Customer Decision Journey)やGoogleの購入メンタルモデルの初期段階である顧客情報収集段階で発生するキーワードに対する総合的リサーチを言います。顧客はB2C、またはB2Bに分けられます。特にB2Bでは実際に商品やサービスを消費する主体と購入主体が異なることも多々あるので両者が使用するキーワードをリサーチするのが大事です。

2) 検索時に使われるキーワードの検索意図を分析(Keyword Context Analysis
キーワードリサーチを通じてそれぞれの検索意図がわかります。実際に顧客たちに必要なコンテンツや構成図、方向性を整えることができます。

3) 検索意図に適したコンテンツの有無を把握(Contents Availability Check
意図分析を下に企業のコンテンツを分析して行きます。顧客たちが必要とするコンテンツがあるかを把握した上でコンテンツ戦略の方向性を具体化します。

4) 検索結果ページ(SERP)のランクと競合現況を把握(Competitive Analysis
公開したコンテンツが実際の検索結果でマッチングされているかを確認すると共に、競合他社のコンテンツを分析することで自社コンテンツの弱点を把握、さらに強化するための基礎データを集めます。

5) 検索意図に合わせてコンテンツ戦略やデジタルチャネルの活用(Contents Strategy)
検索されるキーワードの意図に合わせるためのコンテンツ内容、フォーマット、長さ、読んだ後の予想結果(Call to action)に関する戦略を設定し、該当コンテンツを掲載するチャネルを確定します。

ここでオウンドメディアを活用するのか、それともアーンドメディアチャネル(公式ブログやFacebook、Twitter等)のアカウントを使用するのかに関するガイドラインを決めます。

6) コンテンツ制作(Contents Authoring)
上記で立てられた戦略をもとに実際掲載するチャネルの特性を考慮してコンテンツを制作します。公式ウェブサイトやブログへの掲載を前提に良質コンテンツを目指します。さらに、この基本コンテンツ(Seed Contents)から多数のショートコンテンツをトンマナだけ変えてトンマナだけ変えてソーシャルメディア用のショートコンテンツを作ればコンテンツマーケティング全体のROIを上げることができます。

7) 検索最適化(Search Engine Optimization
制作したコンテンツを検索結果ページ5位以内にある競合サイトの検索結果最適化レベルに合わせて最適化する段階です。

8) コンテンツ掲載及びモニタリング(Contents Publishing and Monitoring
特定キーワードの検索意図に合わせて制作したウェブコンテンツが実際に検索結果ページにランクインされているか、そして適したランディングページがリンクされているかを常時モニタリングしながら、さらにまた最適化作業を繰り返していきます。

9) コンバージョンへ育成(Nurturing to conversion
インバウンドマーケティングの究極の目的は潜在顧客を訪問者へ、訪問者を顧客へ、さらにはロイヤル顧客に育成してくことです。顧客にウェブサイトへの再訪問を促し、購入コンバージョンを達成します。

ここで重要なのは、コンテンツ内容について100%決定権があるオウンドメディアのコンテンツではなく、第三者が作成したアーンドメディア領域のコンテンツの方が効果的だと言えます。特にB2B製品や高価商品の場合は客観的な外部評価が大きく影響しますので、アーンドメディアの主要チャネルを通じてコンテンツを配信することが重要です。

10) ロイヤルティー育成 – 再購入への強化(Brand Bondage)
カスタマージャーニーのプロセスを通して商品を購入した顧客のロイヤルティーを高めることでリピート率の増加につなげる戦略が必要です。よくある方法は顧客に対して定期的に商品に関する情報やコンテンツ提供により、商品の価値を強化し、さまざまなテーマのコンテンツを主導的に配信するコンテンツリーダーシップ戦略を活用できます。もちろん、追加でコンテンツを制作する時にも①〜⑦のプロセスをベースにしなければなりません。

次は、検索最適化の基本方法について説明します。

4. 検索エンジン最適化(SEO)について

SEOは3つに分けられます。まずは、WebページのHTMLタグとコンテンツの内部要素を最適化する「SEO内部対策」です。次は、外部サイトの評価による「SEO外部対策」、そして該当ページとルーツドメインを含むウェブサイトレベルで最適化する「テクニカルSEO」です。

1) SEO内部対策

SEO内部対策は、Webページのテーマを明確にするためにHTMLタグとコンテンツをチューニングする一連の作業です。つまり、テーマを明確化することが重要です。Webページのテーマ性が上がれば検索エンジンが該当ページの特定主題やテーマをインデックスしたときにランクアップされる可能性がより高くなります。

テーマの明確化は単なる検索順位を上げるだけではなく、コンテンツを消費する訪問者の満足度と深く係ります。たくさんの主題を羅列するウェブページでなく、実際検索したキーワードに適した内容でこそユーザーの満足度も上がることも覚えるポインドです。

SEO内部対策の成果は次の通りです。

  • 検索順位が上がる可能性が高いため、効率的な集客に貢献
  • 各ページのテーマ性が高く、訪問者満足度が向上
  • 各ページが明確なテーマや役割でウェブサイト全体の構造改善

こういった意味でSEO内部対策はWebページの構造改善やHTMLタグチューニングを超えて、コンテンツ内容の企画・作成・改善まで含むので、一度の作業で終える業務ではなくモニタリングとフィードバック、改善の繰り返し作業であります。

2) SEO外部対策

SEO外部対策は被リンク対策とも言い、外部のウェブページから自社のウェブページへのリンクを増やしていく対策です。Googleなど検索エンジンはサイトを評価する際に、良質の外部サイトから沢山のリンクを貼られると重要なページ、あるいは人気の高いウェブページと認識されます。ただ、リンクの数が多いことだけが検索順位に影響するものではありません。

ここでもSEO内部対策と同様にテーマ性が重要となります。検索エンジンの評価はリンク元のウェブページのテーマとともにそのページの信頼性が大きく関わってきます。検索エンジンの外部評価要素は以下の通りです。

外部からのリンク数

  • リンク元となるウェブサイトの更新頻度
  • リンク元サイトのドメイン年齢
  • リンク元サイトのIP分散
  • リンク元サイトのドメイン分散
  • リンク元サイトの情報関連性
  • リンク元サイトのアンカーテキストのパターン
  • リンク元サイトのリンク増加パターン
  • リンク元サイトが外部に貼られたリンク数
  • リンク元サイトのページランク

外部対策は時間をかけて良質の被リンクを少しずつ増やしていくことが望ましいです。それでは外部リンクを健康的に増やす方法は何でしょうか。

※業者の手を借りずにマーケターやウェブマスターでもできる被リンクを増やす方法を紹介します。

① ソーシャルメディアに投稿して共有を誘導
シェア機能をつけましょう。Facebookのユーザーならご存知だと思いますが、SNSは単純に身辺のできことを投稿することに止まらず、後でも参考できる情報や友達とシェアしたいサイトを保存する場所としても使われています。シェアで増える被リンクは非常に良いSEO外部対策になります。

Twitterでウェブページをポスティングするときは、’Bit.ly’のような短縮URLを使用し、リツイートしやすく120文字以内にまとめます。また、Facebookのときには読み込みしたURLのタイトルが正しく表示するのか、クリックしたい内容で表示されているかを確認します。タイトル欄にURLが見えるのはメタタグが間違ったとき発生する問題です。その状態では幾ら良いコンテンツであってもシェアされにくくなります。

② PR資料の配布
比較的に被リンクを増やす方法がメディア向けに配信するPR資料を利用する方法ですが、より効果的に増やすにはまず、資料の価値を上げてたくさんの媒体で取りあげられるようにすることです。その次は、資料の最後にサービスを紹介するページのURLも合わせて記載します。このときのURLはトップページではなく当該ページで、かつぱっと見で内容がわかるようなページに設定しなければなりません。

③ 相互リンク
テーマの関連性の高いウェブサイトやブログ管理者に相互のリンクを交換することです。関連性が高いほどこのようなリクエストは応じやすく、またリンクの質も上がるためぜひ試していただきたい方法です。

④ ソーシャルのブックマーク、Q&A、動画投稿機能の活用
Q&Aのアンサーには該当ページのURLを貼る他、reddit.comやdel.icio.usのようなブックマークサイト、Youtubeに動画を投稿することも被リンクを確保できる方法です。Youtube以外の動画サイトには、Pandora.tv、Dailymotion、Vimeoなどがあります。

⑤ ディレクトリー登録
Yahooのウェブディレクトリー(dir.yahoo.com/)やDMOZオープンディレクトリー(www.dmoz.org)のようなウェブディレクトリサービスにウェブサイトを登録することは良質の被リンクが得られる確かな方法です。

ただ、個人が運営する私設ディレクトリーには検索エンジンによる評価が悪いものも多数あります。そのようなサイトにディレクトリーを登録した場合、逆にペナルティーを受けるおそれがあ流ので事前にディレクトリー評価を調べる方が良いでしょう。

⑥ アフィリエイトキャンペーン
最近 様々なアフィリエイトができてからブログ運営者がポストを通じて関連テーマの記事にアンカーテキストを使ってウェブページを紹介することが可能になり、これで被リンクを確保できるようになりました。アフィリエイトは被リンク数の増加を制限できないという短所があるので注意が必要です。

⑦ 良質のイメージや統計資料を提供する代わりに受けられるリンク
ウェブサイトを通じて画像イメージやインフォグラフィックのような良質の統計情報の提供および引用を許可しながら出処とリンク形態を義務化することも被リンクを増やす良い方法です。⑥に似ていながらもコンテンツの共有・拡散はもっともいい対策です。

コンテンツ共有と拡散させるためのTIP

上記では被リンクを増加させる方法について記述しましたが、根本的な解決策はウェブコンテンツそのものが高い拡散力を持つことが重要です。しかしながら、そのようなコンテンツ作成は簡単ではありません。ここでコンンテンツ作成時に役に立ついくつかのTIPを紹介します。

・ 魅力的なヘッドラインポスト
インパクトのあるヘッドラインは拡散に大きく貢献します。ヘッドラインが魅力的であればすぐに読まなくても後で読むためにFacebookやTwitterに投稿します。いくら良い内容でもヘッドラインが魅力的でなければ拡散する可能性は少ないでしょう。

・ リスト型のポスト
1つのテーマと関連する重要情報をWebページリンク、タイトル、まとめや意見は共有される可能性が高いです。

・ FAQ型ポスト
特定のテーマと関連して誰もが気になる質問や回答でまとめるFAQ形式のプストも共有されやすいです。

・ ランキング付け型ポスト
TOP10、TOP3など人々は順位に興味や関心があつまります。「上司に絶対聞いてはいけない質問ベスト5」や「購入1年後満足度の高いガジェットTOP10」等このようなタイトルのポストは共有されやすいです。

・ 製品比較ポスト
製品を比較する内容のコンテンツを実際に作成することはとても難しい作業ですが、だからこそ非常に共有されやすいポストでもあります。努力と時間をかけるコンテンツは共有も拡散率も高いです。

・ 画像とテキスト
良い内容でもテキストだらけのコンテンツだとPCやモバイル環境では読み難いです。段落で分けるかキーポイントを冒頭に入れるなどの工夫が必要です。そして、段落ごとに内容をイメジングできる画像を挿入すると長文でも最後まで楽しく読んでもらえます。

5. テクニカルSEO

テクニカルSEOとは、特定のWebページではなく、rootsドメインの下にあるWebサイトレベルでの検索最適化を称する用語です。個別のページに対する検索エンジンの評価要素にドメインに対する評価要素が足されるものなのでてtも重要です。

  1. robots.txtの正しい宣言
  2. sitemap.xmlをrootに付けた後google webmasterに登録
  3. URL正規化
  4. 301リダイレクトでURL正規化
  5. サイト全体にアクセス経路表記
  6. モバイルアクセス時に同一URLのモバイルページへ移動させる
  7. Google Place(www.google.co.jp/landing/placepages/)へ登録
  8. 同タイトルのWebページがある場合、再調整
  9. ターゲットキーワードをテーマとした主要ページたちは最上位ディレクトリー近くに配置させる

以上を中心にサイト最適化をチェックし、足りない部分は改善します。1回の作業で全て完了させるより継続することが大事で、検索の1ページ目に表示されるまで各要素を調整することがポイントです。

検索最適化とインバウンドマーケティングの関係

ここまでSEOについて説明しました。長くなってしまいましたが、それ程インバウンドマーケティングにおいて実質的成果のためには検索最適化の遂行は重要な役割をします。ただの SEOをインバウンドマーケティングという新しい名前に入れ替えただけで内容は同じだと認識なら誤解です。

インバウンドマーケティング方法論の構成で「コンテンツマーケティング」、「検索最適化」、「ソーシャルメディアマーケティング」手法が反映されているだけでもSEOとの違いはわかります。かえって、インバウンドマーケティングはSEOという概念を越えて企業とブランドが顧客とのコミュニケーションに集中して根本的な部分を強化する新たなメソードです。